上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
□投稿者/ waters -(2005/02/17(Thu) 17:35:21)

自分は元来ゲームが好きだ。一番の趣味といっていい。
気にいったハードがあれば何台も購入し、ソフトも全部残してある。
ただ、仕事でPCを使用する時間が多い為、画面に向かうことに飽きてしまった。
今思えばその頃は、ちょっとは健康のことも考えていたのかもしれない。
ゲーム機は丁寧に梱包して封印した。

中学時代の友人達と久しぶりに会った。
その中の一人がFF11にハマッていた。
なんでも毎晩、旦那さんと一緒にプレイしているらしい。
別々の部屋に各々のPS2を設置して遊んでいると言っていた。
別の友人が言った。「新婚なのに他にやることないんかい?」
FFだけで十分楽しいという返事だった。その場にいた全員が「ふーん」と答えた。
ハマっている友人は、私とは小学校時代からの付き合いで、子供時代は
ドラクエやFFを貸し借りしていた。だから、きっと私もFF11が気に入ると思ったらしい。
何回も私をFF11に誘った。「絶対面白いよ」「一緒に遊ぼうよ」「最初は色々教えるよ」
だが、私はあまり興味が湧かなかった。面白いのかもしれないとは思ったが、
3Dキャラはあまり好きではないし、テレビと向かい合うのも疲れるので、
「仕事に余裕が出てきたら接続するよ」と返事をした。
その後も会うたびにFF11に誘われたが、どうしてもやる気が起こらず、
前と同じ返事を繰り返した。
FF11は結局やらずじまいに終わった。
思い返せば、この時手を出さずによかったと思う。

私がネトゲを始めたのは、友人がFF勧誘をあきらめた頃だ。
家族が新しいPCを購入し、私がセットアップを行った。
さて作業も終了し、家族は嬉々としてPCを触り始めたが、別に何がする訳でもなく、
ネットサーフィンにもすぐに飽きてしまったようだった。
購入から設置からすべて任されていた私は、なんだつまらないと拍子抜けし、
そのPCで、いつも覗くホームページを巡回していった。
そこにネトゲの紹介があった。
仕事の休みと重なっていたのが悪かった。
「FF11、結局やってないけど、ネトゲってどんな感じだろう?」
軽い気持ちでクライアントをダウンロードした。
それからが、非常にマズイ日々の始まりだった。

最初は知り合いもなく、初心者用の狩場で淡々と雑魚を狩っていた。
別にそれで満足だった。
色々な人が狩場を通り抜けていった。個性的でひどく垢抜けた格好をしていた。
自分のキャラが貧相に見えた。
「あれはどうやって手に入れるんだろう。」
ファンサイトを検索した。レアで高価で、レベルも高くないと着れないものだった。
「じゃあ仕方ないや。」「地道に育てよう。」「そうすればきっと着れる。」
本当に地道に育て始めてしまった。
毎月アカウントに課金をし、黙々と狩り、貯金し、レベルに合った装備を揃えた。

時間が経過するにつれ、ゲーム内で知り合いができた。正直うれしかった。
会話を覚えた。ゲームの知識が増えた。ギルドに入った。
私一人では知りえないことを、みんなが教えてくれた。
色々な場所に連れて行ってもらった。世界が一気に広がった。
楽しくて楽しくて仕方なかった。

ネトゲだけに依存するのは、やはりいけないと思っていた。
特にギルドに入ってからは、仕事、食事、風呂、睡眠の時間をきっかりと決めた。
待ち合わせに遅れたりしないように、だ。
一見規則正しい生活。親からは、最近色々調子よさそうだね、と言われた。
だが、何かがおかしかった。
ベッドに入っても、脳が休まらない。ずっとゲームのことを考えている。
明日はこうしよう。あの人にあれを渡そう。あとあのエリアのドロップを調べなきゃ。
そんなことばかり考えていた。いつも脳だけ疲れていた。
現実の計画はノートに書いた。現実の付き合いは携帯の予定表で管理。
ネトゲを理由に付き合いを断ることはまだなかったが、いつもINする時間になると、
会話も上の空になり、この付き合いがなければゲームにいけたかな、と
チラチラと考えるようになっていた。頭がゲームのことでいっぱいになり始めた。
少し、まずいのではないかと思い始めた。

ネトゲを辞めたきっかけは、些細なことだった。
ギルドのメンバーは皆、ゲームに対してストレスを抱えているようだった。
ストレスを抱えながら、毎日INしていた。無論私もそうだった。
ちょっとした言い争いがあった。そして解決した。
言葉の上だけでの解決。何度も見ている光景だった。
その日私はひどく落ち込んでいた。画面の向こう側の人たちも、
苛立ったり、考え込んだり、妙に冷静だったり、色々な表情をしているはずなのだ。
しかし、顔が見えない、言葉しか表示されない。
親愛のモーションを使ってもらっても、「w」を使ってもらっても、
向こう側の人たちは、本当は何を考えてるの?怒っているの?泣いているの?
想像するしかない。推測するしかない。それが私を追い詰める。みんなを追い詰める。
追い詰めているはずなのだ。経験値やレアアイテムやネトゲの人間関係、それら全てが
現実の人間にストレスを与えるようになってしまったのだ。
なんで気づかなかったのだろう?なぜ皆平気なのだろう?
辛くて辛くて、ゲームから落ちて、もう辞めようと全て消してしまった。

ネトゲの後遺症は想像以上に根深かった。あんなに規則正しく生活していたのに、
ネトゲを辞めたら、今度は仕事が手につかなくなってしまったのだ。
馬鹿みたいなハナシだが、
「勝手に辞めた私のことを、皆はどう思っているだろう」
「お世話になったあの人に、十分なお礼ができなかった、なんて恩知らずなんだろう」
想像が想像に拍車をかけ、後悔と自責の念で泣いてばかりいた。
たった半年でネトゲは、私の心のかなり奥まで、知らない間に侵食していた。
ギルド関連のHPを訪ねようとしたが、クライアントをアンインストールした日に
ゲーム関連のものは跡形もなく消し去ったため、行くことはできなかった。
(この時戻ったら、おそらく復帰しただろう。消しておいて正解だったと思う)
そしてゲームの面影を探してネット上をフラフラさまよい、
他のゲームでもいいからこの空虚さを埋めてほしいとリンクを押しまくり、
着いた先がこのホームページだった。

体験談を読んだ。
私は、憑き物が落ちたようになった。
自分が典型的依存体質であることを思い知らされた。
私は、ネトゲに触れると駄目になる人間なのだ。
もう2度としない。そう思った。

毒であることは身をもって体験しないとわからない。
これからネトゲを始めようとする人、私は始めてほしくない。
けれども、それは子供に、例えば
「チョコレート食べ過ぎるとダメ」と言っても、実際鼻血がでるまでわからないし、
「アイス何本も食べちゃダメ」と言っても、実際おなかが痛くなるまでわからない。
もし聞き分けがよくて、言われたことを守ったとしても、抑えるものがなくなったとき、
何ともなしにやってしまうかもしれない。
それがオトナであればるほど、取り返しがつかなくなると思う。
自分は大丈夫だから始める、続けるという人、せめて皆さんの失敗談を読んでください。
ネトゲの毒の回り方は人それぞれ、たくさんの失敗を知っていろんな負けパターン見て、
ネトゲがあなたを侵食する音が、ほんの少しでも聞こえたらなら、
一刻も早くそこから逃げてください。できるだけ遠くへ。遠くへ。
自制できるなら、それができますよね?

私の痛い後日談を。
私は仕事柄、ネットワーク環境を完全に取っ払うことができない。
情報は溢れているし、今は携帯電話でもサイトを閲覧できる。
また、非常に情けないことに、このホームページを見てもなお、
頭の中からゲームを消去しきれなかった。
私はネトゲを辞めた反動があまりにも大きかったため、
ファンサイト掲示板の閲覧だけを自分に許可することにした。
(ここまでしないといけなくなる性格の人には、本当にお勧めしません、ネトゲは。)
精神は安定し、仕事も順調にこなし、徐々にネトゲを忘れていった。
そしてある日。メンテ中、PCの1つにクライアントが残っているのを見つけた。
(全盛期、3台のPCでプレイしていた。)
無論、すぐにアンインストールした。
だが、なぜかそのあと公式サイトへ行き、最新版をインストールしていた。
なぜそんなことをしたのかわからない。無意識だった。
そして新しいキャラクターを作り、ゲームの中を散歩した。他には何もしなかった。
ただただ、散歩をした。時計を見た。4時間経過していた。
速攻で落ち、アンインストールした。そのまま布団をかぶって寝た。自分が怖かった。
散歩だけで4時間。時計なんて気が付かなかった。ただ画面だけを見ていた。
次の日、気持ちが悪く、正面を向いて歩くことができなかった。
「気持ちが悪い、もうゲームなんてしない、もうゲームなんてしない」
フラフラしながら、そう言っている自分がいた。
4時間位、以前だったら平気だっただろう。これが体の正しい反応なのかもしれない。
ほっとした。笑ったかもしれない。
こうやって痛い目にあって、体が覚えて、もう辞められる。

ファンサイトの掲示板も、公式サイトも、今はもう必要なくなった。
FF11にハマッている友人からは、子供ができたと連絡がきた。
うれしそうだった。
まだFF11をプレイしているのかな。
次に会った時、話をしてみようと思う。
ゲームって怖くなったね、と笑い合えればいいな。
そう思う。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。